私が従事していた事業再生コンサルティングの視点から、不動産分譲業の経営が窮境に陥らないためのポイントを挙げてみます。
事業の特性1.経済情勢の影響を受けやすい
→特に地価の動向と銀行の融資姿勢に左右されます。
2.用地取得から販売回収までのリードタイムが長い
→戸建分譲で半年~1年、マンションでは1年から3年程度の期間が必要になり、その間の運転資金確保が必要になります。
3.相応の資本が求められる
→高額な商品を扱っていますので、多少の環境変化による予測違いに耐えられる資本力が必要です。
4.フロー型ビジネス
→管理や賃貸業等のストック型ビジネスと対局のフロー型ビジネスの典型のため、いかに回転期間を短縮できるかが勝負になります。
窮境に陥る要因販売戸数が計画より悪い場合、資金繰りの悪化につながり、値引き販売をすれば利益率の低下を招くことになり、その業績を見て銀行はさらに慎重になり事業が縮小してゆく悪循環に陥ります。
経営改善の要点1.用地買収から販売回収まで適切なリードタイムで、かつ適切な利益を確保できるような仕入れ原価・建築原価・広告費・人件費を実現しなければならず、そのためには特に用地仕入れのための情報収集力・ネットワークの構築がカギ。
2.売上の改善として、商品と価格とプロモーション戦略のベストバランスを目指す。